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個性的な声の魅力
CoCoの歌声が好きだった。
ソロバートだけではない。ユニゾンパートは、そのメンバーの組み合わせにより、水彩画のように繊細な色合いとグラデーションを描く。例えば5人ユニゾンでは、瀬能・大野を歌声の芯として、三浦・羽田・宮前の声がキラキラとその周りにまとわりつくような響きを構成する。ユニゾンはバカにされがちだが、CoCoのユニゾンはその音色自体に価値がある。
こうした声の特徴を活かして、楽曲も、可愛らしさとかっこよさの効いたメリハリのあるものが多く、聴く人に幸せと元気を与えてくれる名曲がそろっている。
多様な声による幸せ溢れる楽曲という意味で、最近筆者がのめり込んでいるでんぱ組の楽曲と少し通じるものがある。
だが、この5人による黄金の組み合わせは、瀬能あづさ卒業により幕を閉じる。
終わったと思った。
でんぱ組でいえば、りさちーがぬけたようなものである。
しかし、 4人のCoCoは、その歌声の成熟と、4人の声にあった楽曲を得て新たな魅力を見せる。その第2期CoCoの魅力については別の回に譲る。
お勧め楽曲
以下、第1期CoCoのおすすめ楽曲を紹介する。
前述の「はんぶん不思議」である。まず、イントロの鐘の音が気分を盛り上げる。
Aメロでは、イントロの可愛らしさを引き継いだ、少女声のユニゾンから始まり、それを大人びた声のユニゾンが追いかける。この対比が素晴らしい。
その繰り返しをキャットボイスによる「あなたいじわる」が打ち破る。そのインパクトは革命的ですらあった。
そのあとは、構成の異なるユニゾンとソロを切り替えながら1番を終える。まるで声の個性と、組み合わせの魅力を見せつけるように。
イントロのドラムスが印象的。少しクールでロックっぽい曲も合うことを見せつけた曲である。
なお、この曲のベストアクトは「春はCoCoから 1991」のライブ映像である。イントロのドラムスとともに、衣装チェンジして現れるCoCoのメンバーが眩しい。衣装も曲に合っている。
24小節、46秒にわたる壮大なイントロが期待を高める。当時流行りのオケヒットが懐かしい。各メンバーの歌唱力も上がったためか、声の加工が減り、ソロパートの魅力を存分に味わえる。特に瀬能あづさの伸びやかで自信に満ち溢れた歌声は清々しい。ユニゾンも前述の芯のある声とキラキラ声のバランスが絶妙である。この曲でCoCoのボーカルは完成形に、達したと言っていい。
アルバム内の曲だが、ファンに愛され、コンサートの定番曲でもあった。その魅力は前述のとおり。
この2曲もアルバム内の曲。
「なぜ?」はコンサートで盛り上がる曲であり、やはり瀬能あづさのボーカルの力強さが魅力である。
「サーカス・ゲーム」は独特の冷たい浮遊感に惹かれる。
Myこれ!チョイス 22 STRAIGHT+シングルコレクション
- アーティスト: CoCo
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最後に、パッケージメディアのおすすめを紹介する。興味を持ってじっくり聴きたいとなったら、「STRAIGHT+シングルコレクション」がコストパフォーマンスが高くお勧めである。名盤「STRAIGHT」をベースに、「君の歌、僕の歌」を除く上記の名曲がすべて含まれていて大変お得である。
ライブなら前述の「春はCoCoから 1991」だ。LDプレーヤーやVHSを持っている人はマストバイだ(笑)。