「でんぱ組 物語論」の目次 兼 解説です。本論文にハイパーリンクを貼る場合*1、このページに対してお願いします。
はじめに
本論文は、でんぱ組の物語の魅力を解き明かすことを目的としたものです*2。
以下、章構成に従って、論文の内容を簡単に解説していきます。並行して、すでに本論文を通して読まれた数少ない方に向けて、一種のあとがきを脚注として記載しています。
1.3つの物語
序論です。本章ではでんぱ組の物語の魅力を以下の3種類のサブストーリーに分解して整理します。
- 血沸き肉躍るサクセスストーリー
- 各メンバーの成長と成功の物語
- メンバー間の友情物語
2.2つの「本物」*3
本章は論文の本論に相当し、でんぱ組の物語を深く真正なものとしている、2つの要素について論じます。結果として「でんぱ組論」となっています。
本物のキャラクター
本節ではでんぱ組の物語の魅力が、「本物」であるゆえの強い「生きづらさ」「承認欲求」を抱える登場人物による群像劇に由来することを主張します。
でんぱ組 Incorporated*4
本節では、でんぱ組をスタートアップ企業に見立てて、その成り立ちを以下のようにモデル化します。このモデルが本論文の一番のオリジナリティかもしれません。
- 個性の強いプロジェクトマネージャの寄り合い所帯
- その出自ゆえ絶えずバラバラになろうとする力が働く。それをまとめるのが、もふくちゃん、みりんちゃんという2人のファウンダーの求心力
2人のファウンダー
本節では前節で定義したモデルに基づき、もがちゃん脱退までのでんぱ組の歴史を再解釈します*5。
本物の成り立ち
本節では前節に引き続き、現在に至るまでのでんぱ組の歴史を再解釈し、上記モデルで表現されるグループの成り立ちが物語に真正性を与えていることを主張します*6。
同時に、第1回武道館以降のでんぱ組の物語を、危機からの再生の物語として再評価し、そこでの最重要人物としてみりんちゃんを位置づけます。みりんちゃんの成長といえば、結婚に至るまでの人間性を取り戻していく過程がクローズアップされがちですが、実はリーダーとしての成長も見逃すことができないものです。本論文では短いですが、それをまとめて世に提示できたと自負しています*7。
本節が本論文の一番の山場です。
3.1つの夢 ~でんぱ組トリロジー~ *8
本章では、でんぱ組のこれまでの歴史を映画の正編・続編に見立て、完結編のあるべき姿を考察することで、今後のでんぱ組の物語を論じます*9*10。
脚注
*1:極めて稀だと思いますが(笑)
*2:実は幕張ジャンボリーコンサートを見て感じたネガティブな感情を昇華するのが動機です(笑)。
*3:章見出しの先頭は章番号と逆に「3→2→1」と降順になるようにしているのですがお気づきいただけましたでしょうか。第2章の見出しの先頭を「2」にするに当たって、若干無理が生じています(笑)。
*4:Incorporatedは比較的大規模な会社に使う傾向にあるらしいので少々違和感がある見出しではあります。
*5:色々ツッコミどころはあるのですが、もふくちゃんを盛田昭夫/Steve Jobs、みりんちゃんを井深大/Steve Wozniakに見立てることができたのは自分の中ではホームランでした(笑)。
*6:おそらく、現代の地下アイドルの中にはでんぱ組と似たような成り立ちをしているグループもあるかもしれません。しかし調べてもきりがないため、他のアイドルグループとの比較は少し歯切れが悪くなっています。
*7:みりんちゃんの本質を見抜き、W.W.D ⅡのMVで市会議員に設定した人は慧眼です。ちなみに、筆者の夢は日本経済新聞の「私の履歴書」でみりんちゃんの連載を読むことです(笑)。
*8:この「夢」は、「アイドルの地位向上」というみりんちゃんにとっての夢と、感動の大団円を見たいという筆者にとっての夢、というダブルミーニングとなっています。
*9:当初は将来像について、もっと具体的に考察しようとしましたが、それは別の記事にまとめることとし、具体的な内容は読者の想像に委ねることで余韻を持たせました。
*10:むすびの「大団円を期待しつつ、焦らず彼女たちの言動、そしてパフォーマンスを味わっていくことだろう。」は、筆者自身に対する戒めであり、もう同じレベルの感動は二度と得られないだろう、という一種の諦めと、ひょっとしてという、微かな希望の言い換えでもあります(泣笑)。